SSブログ

流し屋 鉄平 [DVDやら映画やら]

いつもの波に浮かぶ東映マークだなあと思っていたら、そのまま本編に突入。くどいおじさん、寺島進さん登場。タイトルの書体や大型バイク集団からして古き良き東映、昭和映画な趣。最後にはデコトラもちょっとだけ顔を出す。東映といえば「ギターを持った渡り鳥」。だからどうしても主人公にはギターを持たせたい。それでこういう設定になったのだろうか。「悪魔に魂を売った~」という失意のミュージシャン、コーちゃんと、一度歌手をやめてまた歌おうとがんばるアケミには実は意外な関係があって、それを軸に流しのギタリスト、鉄平たちがドタバタドタバタやらかしてくれるという映画。鉄平の人間関係が充実していて、話しがいくらでも広がりそう。ロケ場所も多くて、寺島さん行きつけの店も出てくるらしい。流れ者の鉄平だが、この話しでは小料理屋と言う帰る場所がある。これもギターを教えたヤクザの奥さんと関係があったから。かんじんなところでコケるアケミが面白い。オーディションシーンはカオスすぎてあっけにとられる。銭形平次でないが、鉄砲や銭の代わりに鉄平はピックを投げる。片岡礼子さん演じる小料理屋のマサコさん。彼女の旦那さんがヤクザで大森南朋さん。二人が名演。この夫婦が鉄平のターニングポイントとなるから重要な役どころ。大森さんの写真がコロコロ変わるのが面白い。「ヤクザになったら指ないわ」「まだあるわ」の掛け合いが面白い。その娘、シズクちゃんの「私は自力で産まれました」という台詞に笑う。勝矢さんは怪演。なぜ彼はアッチ系にいってしまったのか? コーちゃんを演じるのは高岡奏輔さんだが、「GSワンダーランド」にも出ていたようにミュージシャン役が似合う。映画の中でもアケミとのデュオでアコースティックギターを弾いているが、メイキングでは Les Paul Jr. をかっこよく弾いていた。元々ギターが上手い方なんでしょうか。ギターといえば、「お前の物はオレの物」というジャイアンのような大プロデューサー、カナスギヤスオ、略して KY の事務所にあるのが、ファイアーグローの Rickenbacker 325 に サンバーストの Gibson Les Paul Jr.。鉄平たちの行きつけのラーメン屋に貼ってあるポスターが榊英雄監督の「捨てがたき人々」。大森さんも出ている映画でした。「侠飯~おとこめし~」の監督も榊さんだったとは知らなかった。Vシネマ復活作だけあって哀川翔さんもちょっとだけ出てくる。しかもデコトラ。エンドロールの歌 "ROAD MOVIE" が良い。前半で鉄平が流しで歌っていた曲。歌が御法川鉄平、つまり寺島さんが歌っている。役者さんが歌うというのも、なんだか東映の流儀な気がする。片岡さんの耳が大きくてかわいかった。エンドロールのクレジットによると、Takamine Guitar の高峰楽器さんが協力していた。ジョーのギターは Takamine っぽいなあと思ったが、鉄平のギターもそうなんだろうか。そういえばヘッドの模様が T の字に見えないこともない。オープニングで波を見ながら「やっぱり富士山マークかな」とか他映画会社を思い起こさせる台詞が面白い。「ギターを持った渡り鳥」「トラック野郎」「男はつらいよ」とか、任侠、人情映画のエッセンスが詰まった面白い Vシネマでした。寒い。


GEOの紹介ページ
http://rental.geo-online.co.jp/detail-349178.html


共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。