SSブログ

野のなななのか [DVDやら映画やら]

芦別が舞台。冒頭で若くして亡くなった方への言葉が添えられる。楽団の人は「たま」の人みたい。人が登場するごとに役名が表示されるのが分かりやすい。「映画というのはカットの集まりなのか」と素人なりに考えてしまう映画。窓の向こうで降る現実的なようで非現実な雪とか、暗さ・明るさにカメラの移動。あとは音楽。舞台を映画で撮ったような映画。話しの切れ間に登場する森の楽団がメルヘン。台詞回しのイントネーション、合成に見えるシーン。結局映画は虚構の世界なのだなあと思ったりする。赤い靴下さえまやかしに見える。大東亜とか太平洋戦争について語る大人、老人たちと、「戦争があったの?」という感じの鈴木かさね。日本によからぬ空気が流れていることを憂い、戦争のことを思い出させるために作られたのだろう。しかしほんとうに不穏なのは別にあるんではないかなあと思ったりする。影の工作の方がよほどあやしい。今を憂うなら現在の事実も述べるべき。「大人が教えてこなかった」という台詞があるせいか、その反動とばかりに、戦争、さらには原発に関することを登場人物に矢継ぎ早に語らせる。特に「ビキニは~」とか、鈴木かさねたちが話す焼き場のシーンが圧巻。あの国は勝ったのか? 炭鉱で働いた海外の方の関係者も登場し、戦争したことに猛省を促す。もし、しかしの世界は言うだけ無意味だが、仮に勝っていれば現在はどうなっていたか。戦争を知らない役者さんも、これだけの台詞が多ければ脳を洗われてしまうかもしれない。長い話しの中で、ストーリーとしてかんじんなところは安達さんが登場する第13章。考えてみると鈴木光男の過去を知ることができるのは観客だけではなかったか。そうだとするなら彼の周囲の人々が少しかわいそうに見えてしまう。安達祐実さんがすばらしい。特に目がすごい。常盤貴子さんが昭和な雰囲気。鈴木かさねさんを見ると、どうにも監獄を思い出す。映画なので映像がすばらしいが、NHK FMシアターのスペシャル版のようで、音声だけ聴いていてもラジオドラマとして成り立ちそう。それだけ台詞が多い。これが意図したことであるなら画期的なバリアフリー的な映画だなあと思いました。監督すごい。晴れ・雪。


GEOの紹介ページ
http://rental.geo-online.co.jp/detail-394423.html


共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。