SSブログ

荒野の千鳥足(Wake in Fright) [DVDやら映画やら]

砂漠のような田舎、無限に続きそうな線路が怖い。教師ジョン・グラント。ティブンダで教えている。休暇でシドニーに帰るため、ヤバという町に行く。彼が「教育省は汚い」とグチをこぼす理由は、「新人の教師は田舎に送られ、1000ドル払わないと帰してもらえない」かららしい。本当ですか? でも本当だから賭けにのめりこんだのか。酒場で保安官と散々飲む。そして急に店内の照明が消え、どこからか聴こえる声にあわせ、みんながお祈りをささげる。わけも分からずつきあうジョン。賭場に戻るところで自業自得臭がプンプン。あげく、身ぐるみはがれた格好で寝てました。アソコもしっかり見えたのにおどろく。文無しの彼が行くところは「Department of Labour」。見上げる空には彼は乗るはずだったであろう飛行機。酔った目覚めで水が飲みたいのに、ドクから「ヤバに水は無い」と言われ、気の抜けたビールを飲む。後は飲んだ仲間につるんでしまってシドニーは遠くなる一方。人とはなるべく距離を置きたい都会人。アポリジニっぽい人も関わろうとしない。対照的な存在の人たちが同じような挙動を見せるのが面白い。ただしその理由は両者ちがうだろう・・・なんて思ったが、実は同じ。先住民は自らを守るために関わろうとしない。ここでの教師ジョンもそうだ。でも「面倒くさい」ということもある。色調が赤いというか熱い。光が熱い。ジョンのアップや瞳が怖い。細切れのカットが怖い。地元民に振り回されたり自分の職業について何度も絶望するジョン。しかしそれを上回る人が登場する。それが女、ロビン。彼女の閉塞感といったらない。時代と土地柄もあるんだろうなあ。そんな彼女に満ち足りてそうな恋人の写真を見せたらどうなるか。都会者のジョンには分からんかったか。田舎教師から逃れようとした男の一週間。肝臓が悪くなってそう。田舎でくすぶる都会の男が自分の本性を知る映画。ビールメーカーを宣伝するように、大量のビール缶が消費される映画。そして見事な邦題。晴れ。


GEOの紹介ページ
http://rental.geo-online.co.jp/detail-345936.html


共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。