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ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(God Help the Girl) [DVDやら映画やら]

ラジオの DJ がジョイ・ディビジョンのイアン・カーティスのことを話している。エミリー・ブラウニングさん演じるイブ・カーマイケルの歌で始まる。普通の台詞もあったりして完全なミュージカルではないところが良いです。ひも付きのコインが面白い。でっかいメガネが似合います。イブは入院中。心の病の雰囲気。体重を量る姿をみるともしかして拒食症か。「以前の生活に戻りたい」と言うイブに、「その以前の生活が最悪だったの」と切り返す先生がすばらしい。彼女はライブハウス「バローランド」でアコギを持ったジェームズと出会い、そこから話しが展開していく。ベッドで歌うイブが弾いているのがスマホの鍵盤アプリ。ジェームズの部屋でギターに合わせて歌うイブのシーンが良い。歌声を聴いていると、メリー・ホプキンのようだ。老若男女のダンスシーンも楽しい。ザ・スミスのTシャツを着て歌う「THE LEFT BANKE PRETTY BALLERINA : レフトバンク 夢見るバレリーナ」のシーンも良い。「嫌な夢を見たので2分だけいさせて」なんて言われたら男は断れんわなあ。行列を作る男たちの中で、つけヒゲのキャシーであろう人がまじっているのに笑う。イブがバンドの男、アントンにカセットテープを渡したり、異性として近づいたりするが、こりゃあかんなあと予想がつきすぎてつらい。どっちかというとイブが鈍感。ジェームズの黄色シャツに赤パンスタイルがかっこいい。ジェームズはテイラーやコールクラークのアコースティックギターを弾いている。イブたちのハウスバンドでは、Telecaster とか Mustang Bass やらも登場する。ハウスバンドは Fender 社の古いカタログに出てくるような雰囲気。スマホを使っている時代でありながら、ちょっとノスタルジーな世界。バンド名を考えるシーンで、ジェームズが語るパール・ジャムや 10CC の名前の由来が面白い。そのどちらも有名な話しですけど。「感情を抑えるなんてスターリン時代のロシアみたい」は名セリフ。ラストの戸惑っているようで普通にも見えるキャシーがとても良かった。政治や世界ではない、自分についての歌われる曲たちは、遠藤賢司さん曰くところの「純音楽」と近い世界かもしれない。スコットランドを体験できる映画。この映画を見ていて気づいたが、エミリーさんは、キリスティン・ダンストとキャメロン・ディアズを足して割ったようだ。イブは自分を治すために大人たちの手助けが必要だと感じ、そして巣立っていく。仲間といるか自分の意思を尊重するかというところ。こんな話しが最近多いような気がする。面白かった。晴れ。


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