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天使が消えた街(The Face of an Angel) [DVDやら映画やら]

イタリアで起きたイギリス人留学生事件を映画化しようとする映画監督トーマス。スキャンダラスに報道するマスコミ。そして始まる控訴審。事件の真相に客観的に迫ろうとするトーマス。しかし映画関係者はエッチで性的でゲスな話しで盛り上げようとする。トーマスは付き合いきれない。シモーンが「夫と別れたわ」と言った途端に関係するトーマス。子供の養育権を係争中なんだろと突っ込みを入れたいがしかたない。「アンダーワールド」とかで怖い印象があるシモーンも恋した顔を見せてくれます。メラニー役の人がなんだかモデルみたい。力強い眉毛が印象的。顔の形は違いますが、ブルック・シールズさんを連想します。実際の出来事を映画にする場合の色々な意見が聞けて面白い。女記者のシーモアは「フィクションにすべき」と言う。理由は明らかで、ストーリーを解決できないから。なるほどなあ。あやしそうな人はたくさん出てくるが、どこまで事件を追及するかはあまり重要ではないらしい。それでは一体何を見せたいかと言うとトーマスの葛藤としか思えない。彼には理想があるが、その理想が周囲を混乱させている。そして同時に夫婦や娘の問題でイラついたりしてる。素人目に、トーマスには強いこだわりを感じると同時に、彼の映画監督としての能力に疑問も感じてしまう。それとも自分をダンテの神曲に重ねて悩む天才なのか。彼なりに危険をおかしてでも真実を追求しようとしているのはよく分かりますが理性的ではない。この映画の中で徹底しているのは、回想で登場するエリザベスが何もしゃべらないこと。それは彼女の周囲の人々の話しがウソであることを物語っている気がします。彼女にだけはウソをしゃべらせない。そしてラスト。彼女の声がようやく話す。なぜ話すかというと、エリザベスの彼氏が彼女について話していたことがほんとうだったからだと思う。この辺りはすばらしいなあと思った。エリザベスの事件で真実があるとするなら、それはこの彼氏との関係だけだろう。なるほどなあ。原題は「The Face of an Angel」で、字幕では「天使の顔」と読んでます。タイトルの「天使の顔」とはマスコミが容疑者ジェシカの真実を形容した言葉。彼女が美人だったせいだろう。当然それは被害者エリザベスでもある。両親にとっては彼女は天使だ。トーマスの小さな娘、ビーもそうだろうし、メラニーもそう。もしかして子持ちのシモーンも入るかも。特にメラニーは、完全にビーの成長した姿。後半、もしトーマスが何かをしでかしていたら、彼自身がこの映画最大のゲスな役を極めていた。話しを催促するとき、「続けて」は「Carry on」だった。神曲「地獄編」は罰を受けてばかりで退屈らしい。ダンテの登場人物、ベアトリーチェの名を聞くと、エノケンのベアトリ姉ちゃんを思い出す。トーマスは「EVA」に出ている人だった。後から少しじわっときた映画。晴れ。


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