SSブログ

修羅雪姫 怨み恋歌 [DVDやら映画やら]

前回は日本初の徴兵令が出された頃から始まり、今度は日霧戦争後の話しで明治の後半。勝ってしまったものだから、軍が調子に乗り始めた雰囲気。町中でも女の子が「ロシアの戦艦めっちゃくちゃ♪」と歌ってます。鹿島雪役の梶芽衣子を始めとして、革命家の伊丹十三、厭世人の原田芳雄、奥さんの吉行和子、検事総長の岸田森さんと、すばらしい役者さんたち。国家権力的な理由で乱水のもとで働き始めた雪。彼女にもようやく平穏が訪れたかと思いきや、国や警察はしつこい。基本的に雪が斬る人は市井の人でもお役人でも悪い人なので、罪悪感が薄い。むしろそこが見もの。このあたりがやくざ映画とは一線を画すところではないか。前半で捕まってしまい自分が産まれた女刑務所に入れらる。そして死刑寸前・・・とは、冒頭から緊迫した展開です。雪自身が刑務所で産まれたことへの皮肉でしょうが、「女囚さそり」も思い出させてくれます。雪の、お尻を触られてキャっとか、恋を初めて知るような女の子っぽい姿が見られるのも面白い。あと、アナーキスト乱水のけっこう激しい夫婦生活も。このシーンいるの?と思ったが、奥さんの極端な行動を表現するには必要な愛情シーンだったのかも。しかしこの乱水夫婦にもちょっと秘密がありそう。乱水、奥さん、そして乱水の弟の関係に、検事総長や国家のたくらみとそれに巻き込まれていく雪。カーならぬ馬車アクションに、殺陣、三角関係、エッチ、家族関係、貧民街、普通の暮らし、横暴な警察、権力エリート、医療もの、パンデミック、リンチに、青空の下や狭い室内での戦い、さらには悪党の身体をはった大脱出と、ドラマに欲しいものがなんでもありの世界。雪が銃を構えるのも珍しいかも。どこから持ってくるのか、決闘にふさわしい着物に着替えているのもかっこいい。そして最後に検事総長、つまり岸田さんを見るときの表情がなんとも素敵。当の岸田さんの顔もすごい。原田さんを見るときの、悲しんでいるのか、さげすんでいるのか、呆けているのか、どうとでもとれそうな顔も上手い。この表情は、雪には彼の運命が見切れてしまったせい。国旗にはさまれたラストカットも見事。冒頭の刀を放り上げて潮が引いていくところを上から見るシーンがかっこいい。前回は乞食集落で今度は貧民街。貧しい者を心底貧しく描くのもこの映画の潔さ。1作目からスケールアップされたすばらしい映画。時代も合いそうなので、いつか雪と剣心が鉢合わせしてくれないものか。面白かった。晴れと雨。


GEOの紹介ページ
http://rental.geo-online.co.jp/detail-18520.html


共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。