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ストーカー(Stalker) [DVDやら映画やら]

隕石が落ちた場所だとか、厳重に守られた立入り厳禁のゾーンとか、SF 映画のようですが、それは単なる体裁のように思えます。真っ先に思い浮かぶのはチェルノブイリとかツングースカ災害とか。チェルノブイリは 1986年なので、ツングースカ災害のことが基になっているのかも。しかしチェルノブイリとか東電原発だとか、時代がこの映画に追いついた感もあります。ラストで見える風景も発電所っぽくてなんだか似ている。タイトルの「ストーカー」とは、ねちねちといやらしい奴ではなくて、立ち入り厳禁なゾーンへの案内人のこと。ストーカーは科学者と作家をゾーンに連れて行く。危険なことを承知でゾーンへ案内するストーカーは荒くれな不良ではなく、ゾーンに対する信心が強い普通の男性。ゾーンにあるという「部屋」に入ると望みがかなうという。そしてそのストーカーは娘が幸薄いという辛い運命を持っている。セピアとカラーの使い方が面白いです。セピアはおそらく人々が暮らす町、または夜。カラーはゾーン。魚、爆弾、そして汚染されていく水たまり。ゾーンもまた安全なところではなさそう。ストーカーいわく、「ゾーンは罠のシステム」。たぶんゾーンは人の真実を見抜く場所で、そしてその真実は人を不幸にするかもしれない。これはなんだかパンドラの箱のようでもある。絶望の後に残る希望。たとえばその希望がラストの娘の話しかもしれない。いきなり出てくる意外な人の第4の壁的なモノローグ。これはまちがいなく見ている人への問いなんでしょう。ドア越しに撮ったようなカットが面白かった。何か分かったような気分にもなる映画。でも難しかった。古典でなければ見ない映画かもしれないが、また見てよかった。曇り・雨・晴れ。


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