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欲望(Blowup) [DVDやら映画やら]

最初に見たのはもちろんジェフ・ベックさん+ジミー・ペイジさんが出ているから。ジミーさんは Telecaster。ジェフさんは壊すためでしょう、安そうなホローボディーのものを使っていて、壊したあとはしっかり Les Paul を手にします。ギターを壊す原因はアンプから雑音が出たり音が途切れたりしてイライラするせいですが、実際にそんなはずもなく、イライラはジェフ・ベックさんの名演技なんでしょう。アンプは VOX が積まれてます。ライブの観客たちは演技指導でしょうか、みんな虚無状態。踊っているのは二人だけ。彼らのヤードバーズとハービー・ハンコックの音楽が無いと見なかっただろう映画。監督は名前からするとイタリアの方なんだろうか。その他、タイトルロールにはそれらしいお国のお名前が拝見できます。冒頭から、街中をワーワー騒ぐ集団。パフォーマンスに見えますが、お金もせびったりする。何か変な集団。最初のトーマスのフォト・セッションは、まさしくアレしているよう。撮られる女性をその気にさせるときの声とか仕草がエッチ。撮り終わるとあっさり離れるところもアレした後みたいな感じ。女性のワカメみたいなドレスもエッチ。後半に入るまで、何か大変なことがあるわけでもなく、ただトーマスの動きを目で追うしかありません。ちょっとしたローカル内のロードムービー。彼は暴力で横柄。でも骨とう店では若いからと老人からじゃけんにされる。若い女店主にはちょっと上から目線で友人のように付き合う。デモ隊にはやさしい。クライアントに写真を見せる時の態度は、口では「女はもういい」とか「ロンドンはつまらない、出ていく」とか精一杯のことを言ってみても、態度はおどおどしている。ただ「ロンドンはつまらない~」といった件は、文化の先を行く人たちにとっては本音なのかもしれません。しかしどうも女性に対する態度はちょっと違うように見える。写真を返せという女性に対して美人を撮るのは飽きたとか、鑑賞するだけで内容に欠けるなんて自論を話す。それじゃあ彼女は美人でないと言っているようなもの。なんだか好きな子に対する子供のような態度にも思えます。好きだけどバカにしたいというかねじ伏せたいというか。だからトーマスは写真家になったのかも。美人云々の話しを聞くと、「可愛いけど空っぽ」と歌う、SEX PISTOLS の「Pretty Vacant」を思い出す。美人嫌いはイギリスの伝統なんでしょうか。トーマスの勝手な振る舞いだけで進む話しにサスペンス風味が加わってくるのは中盤と後半の間くらいから。写真を引き伸ばしたりする作業は、カメラで撮って現像して、それをまた撮ってとか、その様子もひとつの演技。デジタル時代では見られません。今見ると「ライ麦畑でつかまえて」とかを思い出したりする。といっても、似たような話しや映画はたくさんあって、これもそのひとつ。スウィンギング・ロンドン華やかなりしころの映画ではあるけれど、騒いでいるのはパフォーマンス集団くらいで、描かれている街中は静かなものです。トーマスのモデルが実在の写真家らしいですが、有名なアーティスト、モデル、ミュージシャンと付き合いがあったりして、この時代だからこその派手な職業だったんでしょうか。その職業故、世間に対し虚しさを覚え、それが映画の下敷きになっているかもしれません。そして自分の考え通りにはならない若者の憤り話しが合わさる。「さらば青春の光」では大人と子供の断絶でしたが、これもイギリスの伝統かも。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が出るのは、この翌年の1967年。まさにロンドン、イギリスの黄金時代。そんな時代を映したってことでも、これからも残っていく映画なんだろうなあ。トーマスがライブ会場から持ってきたギターのネックの行く末が印象的。オープンカーに乗る彼が何かを片手に通話を始めるが、スマホや携帯電話ではありません。無線です。けっこう時間が長い映画でした。トーマスがイリヤ・クリヤキンっぽく見えることがありました。晴れ・曇り・雪。


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