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ルシアンの青春(Lacombe Lucien) [DVDやら映画やら]

ルシアンの表情、目が印象的な映画。主人公だから当たり前ですけど。しかし、この映画の魅力はジャンゴ・ラインハルトさんの曲が聴けることです。確か渡辺香津美さんが何かのインタビューでこの映画のサントラ盤の話しをしていたような。そしたら、のっけから「Minor Swing」。少しテンポを速めたこの曲をバックに自転車で山を下ってくるルシアン。明るい映画ではありませんが心が踊ります。確かにナチ占領下のパリを離れるかどうするか、ジャンゴさんやステファン・グラッペリさんたちは、ちょうどその渦中にあったんだなあ。オープニング。病院の清掃をしているルシアン。掃除っていう仕事は無くならない仕事ですが、もしかしたら、もう少し経つとみんなルンバになるのかなあと思ってしまった。映画のテーマは「若い」に尽きるのかと思った。ルシアンは若い=何も知らない=良いことも悪いこともその場次第。母親もひどい。そういうお国柄の親子関係かもしれませんが。ゲシュタポと地下で抵抗する者たち。仕事を辞めて行き場を失ったルシアンは、まず地下に入ろうとするが断られ、ドイツグループに加わる。この選択が若い。主義主張無し。威張り方が勘違いの見本市。仕立て屋も捕虜も「嫌いにはなれない」「不良には見えない」と言うが、ルシアンはかたくなに拒む。完全に大人を信用していない。そしてルシアンは笑いません。そしてようやく笑うところを見られる時がきますが、その時はもうどん詰まりな状況。しかしこの映画で最も印象的なのは仕立て屋とその娘、フランス。彼女はルシアンを信用しているように見えるし、そうでは無いような。表情がすべてを物語っています。石を持ったフランスがちょっとホラー。その他、無情な目でルシアンを見るときがある。ラスト近くの表情も印象的。彼を警察に突き出したようにも思える。とても意味深で印象的なラストでした。生きるためのことをする。これが当時のフランス女性に限らず、非日常の世界で行われる自然なことだったのか。ウサギの丸焼きが本物なら、焼かれたウサギってあんな形をしてるんだなあ。犬の死にそうな演技が上手い。今見るとルシアンはマット・ディモンさんの従兄弟とか親戚みたいな顔の雰囲気です。晴れ・雪・曇り。


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