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アイアン・スカイ(Iron Sky) [DVDやら映画やら]

ナチスが全世界に復讐する映画。途方もない設定なので、けしからんなどと考えられません。面白いです。ナチスが黒人を見る目が面白い。ナチスだけではなくて、アメリカ人まで「黒人は以前失敗している」なんて言う。もしかしてオ○マさんのこと?と思わせてパ○エル長官という変化球。その他、黒人についてニ○ロと呼んだり、アーリア人ではないとか言いたい放題。ナチスの博士がアインシュタインそっくりなのも皮肉。その博士が黒人を白人にして、おまけにナチにしてしまうというのもひどい。エアロックシーンで学者レナーテの服がはだけてしまうところも上手い。科学の要請によって遺伝子的に結合し、優秀な子孫を残す考えは、狭い範囲での生活で尊重されそうな考え方でしょうねえ。限られた土地に住むことのできる人数には限りがあります。アドラーの目つきは素人が見ても曲者。ヴィヴィアンとアドラーが意気投合する流れが実にスムーズ。二人の目がすべてを物語ってます。すべてを利用しようとするヴィヴィアンがいちばん人種の偏見がないかもしれません。彼女にとってナチだろうが黒人だろうが、すべては自分のためなんですもの。ヴィヴィアンが作る選挙ポスターで気が付きましたが、ナチス風フォントの書体名ってなんだろうと思ってしまった。「電撃隕石作戦」って、円盤が大気圏に入る時に摩擦で火の玉のようになるので、良い日本語訳だなあと思いました。対抗するアメリカ艦隊もかっこいい。各国の衛星で立ち向かうところも良いです。でも結局は...。学者レナーテが黒人ジェームズの実験室から去る時にドア越しで見せる、ハイル・ヒトラーの片手上げの後、親指をグーするのが可愛い。ありそうでなかなか見れないハイヒールの使い方も面白いです。映画「チャップリンの独裁者」を見て考え込む、月世界で育ったレナーテの無垢さがこの映画の柱。ありえない差別と独裁は笑うしかないという映画。最後の月を見て暗殺マンガを思い出しました。レナーテ、ヴィヴィアン、大統領の女性三人がかっこよかった。エンド・ロールもかっこいい。面白かった。


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