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神阪四郎の犯罪 [DVDやら映画やら]

日活映画。白黒。お腹に響く音楽だなあと思ったら伊福部昭さん。新珠三千代さん、左幸子さんという配役に幸厚い・薄いの物語かと想像します。森繁久彌さん演じる編集者、神阪四郎は、左幸子さんとの心中事件に巻き込まれ、偽装心中、殺人幇助に殺人だと疑われて法廷に立たされる。そして彼に関係する人たちが様々な証言をして、真実はどこなんだい?という話し。関係する人のうち、女性は4人。一人は左さん演じる若かったチヨ。新珠さんのマサコ。彼女は神阪の妻。轟夕起子さん演じるシャンソン歌手のトモコ。そして高田敏江さん演じる編集部員のサチコ。男性は社長と評論家。裁判劇らしく、証言シーンが多い。役者さんたちも台詞を覚えるのに大変だったのではなかろうか。女優4人の配役が良いです。それぞれキャラクターが合っているといいましょうか。新珠さんは、上流でセレブな役はもちろんのこと、そうでない役もよく似合います。「霧の旗」で自分は悪くないのに追いつめられる辛い役もよく似合ってました。上流でなくてもイヤミを感じさせません。誰が真実を語っているのか分からない。人はみな都合の良いことだけを言う。映画「羅生門」的というか、そんな話しです。最初は神阪の負の点について、そして神阪のターン。推理的要素があまり無い。冒頭のチヨの猫が何かヒントになるのではと思いましたが、どうにも関わりがなさそう。ここでのポイントは既にいないチヨの日記の真偽と絵の購入経緯、換金されたかもしれない宝石の行方。これらが立証されれば犯人は分かりそう。普通の見方をすると、神坂とマサコ夫婦の共犯かもしれない。話しのいくばくかが真実だとすると、夫婦ともに男性二人、特に評論家に対して良い感情を抱いていないし、この裁判の中で、いちばん損をしそうなのは評論家。簡単そうな事件だから結末をあえて描かずに、長台詞の応酬にとどめたのか。石川達三さん原作の映画ということで、本を読んだら何らかの結末が書かれているんでしょうか。最後だけでも読みたいもんです。石川達三さんというと映画「青春の蹉跌」をまた見たい。けっこう雪。


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