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39 【刑法第三十九条】 [DVDやら映画やら]

松竹映画。長い。2時間越え。心神喪失・心神耗弱に関わる犯罪の映画。製作会社や製作者名からして人権っぽい。これが推理映画だとしたら、39条からどのようにくつがえるのか知りたい。タイトルバックの雲が先行きを不安にさせます。堤真一さん演じる柴田はもちろん、鈴木京香さんの精神科助手香深や、彼女の母親の吉田日出子さんもかなり不安な人物像。精神科教授の杉浦直樹さんもけっこう不安。樹木さんはがっちがちの人権弁護士。おまけに香深はカフカと読む。まさかおかしな人がおかしな人を裁く展開なのかと不安が倍加します。教授が証言する、「交代人格は人間ではない、なので罰には問えない」におどろく。人格は人間ではないんです。39条は人を人間として認めていないんです。39条にかかる人に人権無し。これって樹木さん演じる人権弁護士への痛烈な皮肉と思えます。彼女が守っているものは人間じゃないんだもの。それでは彼、堤さんはいったいなんなんでしょ? 江守徹さん演じる検事の「それじゃ被告はどこにいるんです」は当然の反応。かなり深そうな話しです。鈴木京香さんの喋り方や地味な雰囲気がだんだん自然に見えてくる。セルフレームのメガネも良く似合っている。彼女が出ている映画は「血と骨」くらいしか見たことないですが、優秀賞かも。堤さんは今で言うイケメン俳優に見える。江守徹さんの表情、特にまぶたに生気がありません。表情といえば、刑事岸辺一徳さんも独特。「捕まえた後の犯人がやったことさえ確かならば、あとは裁判でどうなろうがかまわない」な様子で、常に半笑いした表情は、「これからどう転ぶ?」と面白がっているようにも見えます。刑事とか警察は、おかしな人を相手にしたとき、そんな風に接するしかないのかもしれない。途中で鑑定人が変わるが、それを申し出る理由が良いなあと思った。難点は声が小さい。日本語字幕がほしい。そういう演技なのでしかたがないですけど。長いかなあと思いましたが、無駄なシーンは無さそう。短くするのも難しそう。鑑定がどうのだけではなくて、過去の事件とか戸籍とか親子関係とかを探っていくのも飽きさせません。映画の色調も話しの内容に合っているなあと思う。重いですが面白かった。國村さんが棒でつつく姿が怖い。晴れ・曇り。


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