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ヒルコ/妖怪ハンター [DVDやら映画やら]

洞窟で先生と女生徒が後ろに引っぱられる動きが「鉄男」っぽい、と思ったら監督が塚本晋也さんだった。用務員役の室田日出男さんの登場シーンで、「犬神の悪霊」を思い出してしまう。男子生徒の顔がみんな風見しんごさんに見えてしまうのはなぜだ。夜の理科室ばかりでなく、夜の給食室も怖そうです。でっかい鍋というか釜なんか、人がすっぽり入って煮込めそう、と思っていたら入ってしまった。稗田礼二郎シリーズだと「奇談」もありますけど、正反対のテイスト。この映画では沢田研二さんが演じていて、アクティブですがビクビク度が最高。稗田は竹中さん演じる八部の息子と二人で得体の知れないものに立ち向かう。ガラクタみたいなセンサーや自転車がアマチュアっぽくて良いです。悪い奴を倒すぞと武器を準備するときに出てくるキンチョールの缶が懐かしい。クリーチャーが「遊星からの物体X」な感じ。なかでも月島グモがけっこう怖い。追いかけてくるスピード感もなんだか「鉄男」っぽい。こういうのが監督の味というんでしょうか。ヒルコって漢字では「比留子」と書くんですね。ヒルコの造形が良い。頭部がシャープ。何かでかいものと思っていたが、小さいのがたくさん。小さき者がたくさんなレギオン的怖さ。「奇談」でも数多くの人々が大きな生命の樹を造っていた。このヒルコたちが出口を開けて出てこようとしていたのか。なんと恐ろしきことよ。劇中で稗田の悲劇な背景は不要かなと思ったが、最後の場面で必要だったんだなあと分かる。稗田の妖怪ハンターぶりとともに、八部少年の冒険映画でもある。一晩のうちに体験したことや友人たちとの別れ、そして翌日。ひと夏の体験というにはあまりに大きすぎる事件で、しかも誰も信じやしないでしょう。おまけにタダ一人それを知るのが、妖怪ハンター稗田であれば、ますます信用しないでしょう。少年はこれからが大変だ。姿を変えてしまった友人たちが稗田・八部を助ける姿にジンときてしまう。月島さんがかわいい。面白かった。「奇談」とくらべると、同じシリーズでも作り方でこれだけ違うのかと、良い意味で面白いです。すごい晴れ。


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