SSブログ

けものみち [DVDやら映画やら]

裏切り・裏切られての人間関係に関する話し。池内淳子さんのお風呂シーンがありますが、あれはたぶん代役の方なんでしょうか。彼女演じる民子は、不幸な生活から抜け出すために悪いことに手をそめ、金と権力を持っていそうな鬼頭にすりよります。それも池部良さん演じる小滝の誘いによるものですが、その鬼頭や手下の秦野が何をやっているんだか何も分かってないところが良いです。目的はお金と良い生活だけですから。刑事の小林桂樹さんに鬼頭のことを言われても「はあ?それで?」という感じ。民子は悪に手を染めていくが、それでも臆病なところに現実感があります。彼女が頼れるのは惚れた小滝だけ。それが厄介なところなんですが・・・。民子は夫から離れ、鬼頭のところに出向くんですが、布団に寝ている彼に会ったとき反応が秀逸で、「うちの旦那と同じじゃないの」という心持が見え見えです。「またこんな男を相手にしなきゃいけないの?」という悲しい感じ。でも彼には「お金持ち」という他の誰とも違ったところがあったんですねえ。人の裏切りが山場となるストーリー展開ですが、民子さんの変化も見所。もともとどういう性格の女性だったかはわかりませんが、小滝に対する態度や夫への所業とかを見ると、元々情欲の強い人だったかも。その彼女が一皮むけたのは、夫や火事の件もそうですが、大塚道子さん演じる米子さんとのバトルではないでしょうか。まさしくタイトルの「けもの」のようです。「けもの」の本能って、たぶん生きることだけだと思うので、この映画の男たちはもちろん、民子さんの行動も「けもの」そっくりで、「けものみち」というタイトルは見事だなあと思います。なんでもそうか。大衝撃のエンディングの後、もう一度タイトルが映し出されます。まるで大事なところなので2回言いますというように。この話では政治家本人があまり出てこない。それは政治家がやらない裏のことをする人たちの話しだから。いちばん悪いのは政治家なんです、と言いたいところだが、裏の人たちもやっぱり悪いです。でも民子の旦那さんが、もうちっと聞き分けの良い人だと、彼女もこんなんならんかったんだろうなあ。ちょっとわがまま過ぎです。しかし池部良さんは悪そうな役もよく似合います。なんか良い感じで陰がある方なんですねえ。池部良さんと土屋嘉男さんを見ていると、「宇宙大戦争」を思い出します。ああ面白かった。とにかくみんな裏切る映画でした。まともだったのは(ちょっと道を踏み外しそうになったが)あの人だけだと思う。でも、よく考えたら、民子さんも誰かを裏切ったわけではなかったか。でもまともじゃない。黒部進さんの役名が黒谷とは「洒落ですか」と思ってしまった。天気良いが崩れるらしい。


GEOの紹介ページ
http://rental.geo-online.co.jp/detail-164958.html


共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。