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渚にて(On the Beach) [DVDやら映画やら]

邦題が良いです。オープニング、場所はオーストラリア。ラジオから流れるニュースで、現状が天気予報のようにあっさりと説明される。そしてアンソニー・パーキンスさん演じるピーター少佐が「あれが来るときは家にいたい」と提督に訴える。みなさんこの世の終わりが確実に来ることを知っているんですねえ。そんな中でどう生きるか。博士役のフレッド・アステアが「時間が無いと価値観が変わる」と言う。人によってはそれも真理。物だけではなく、人間関係、そして愛情も変わりそう。もしかして熟年離婚というのも似たようなものかも。放射能で犯された星にウラニウムで航行する潜水艦というのは皮肉です。最期がわかってきたとき、潜水艦の乗員たちはアメリカへの帰国を決める。ドワイト艦長は帰国する/しないを乗員たちに委ねていたが、彼にとって帰国という決断は意外だったんではなかろうか。彼の表情はそんな感じだった。ドワイトは静かにモイラと終わりを迎えたかったんだろう。こんな時、軍人であることを捨てても良いのではと思うが、艦長になってしまったから仕方がないか。フレッド・アステアさん演じるジュリアン博士がフェラーリに乗ってレースに出ます。このレースがまたすごい。デスレース2000とか、そんな感じの事故ばかり。みなさん命を捨てるために出場しているよう。本作はジャンルだとSFのようだが、SF的テクノロジーが出てくるわけでない。このデスレースまがいのレースがSF的というかデストピア的。それと汚染状況を調査するための防護服姿。あとは博士のフェラーリが、今見ると未来っぽいかなあ。なぜだか艦長が言った「コーラ」が耳に残る。最初は文庫本で読んだけれど、それにもコーラが出てきたんではないかなあ。モールス信号調査の人が打鍵機を見つけたところはなんとも切ない。微笑ましいのは、提督とオズグットの年の差カップル誕生くらいか。タイトルロールの最後に軍とかへの感謝が述べられているが、潜水艦なんかは本物なんだろうなあ。張りぼてとかCGでない迫力が素敵。この映画を観ると映画「復活の日」や「世界大戦争」を思い出します。最期近くの音楽は静かで厳かな感じなのですが、ラストでジャーンと大きくなるのが、終末の終わりなんだと思わせます。ああ面白かった。天気良い。


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